設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書の違いとは

投稿日:2016年2月26日  最終更新日:2019年2月15日

A工務店は「○○という工法で耐震性に優れている」、B工務店は「xx材を使用しているから耐震性に優れている」といいます。
果たしてどちらがいいのでしょうか。住宅メーカーの営業マンならともかく、普通の人にはなかなかわかりません。
その問題を解決するために客観的な指標が必要となります。そしてその客観的指標を定めた制度が住宅性能表示制度です。
そして、建てられる家が意図した通りの性能で設計されているか、第三者機関が設計図を審査します。これを設計住宅性能評価といいます。
さらに、建設中の家が意図した通り建てられているか随時審査することを建設住宅性能評価といいます。
では、この制度はどのような役に立つのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

住宅性能評価制度とは

住宅性能評価・表示教会は住宅性能評価制度を以下のように定義しています。

住宅性能表示制度とは平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下「品確法」という。)」に基づく制度です。 品確法は「住宅性能表示制度」を含む、以下の3本柱で構成されています。

  • 新築住宅の基本構造部分の瑕疵担保責任期間を「10年間義務化」すること
  • 様々な住宅の性能をわかりやすく表示する「住宅性能表示制度」を制定すること
  • トラブルを迅速に解決するための「指定住宅紛争処理機関」を整備すること

つまり、おおまかに言うと、「欠陥があった場合は、それを10年間保障しなさいよ」、「性能についてはこちらで定めた指標で判断するからね」、「もしものことがあったら、迅速に解決するために所定の機関で紛争処理を行うよ」ということです。
これによって、施工主にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリットは様々ですが、大きな3つをご紹介します。

同じ基準で性能を比較可能

冒頭でお話したように、「~だからいい」と言われても素人にはよくわかりません。住宅購入の際のパンフレットなどに、「耐震性に優れている」「省エネ性能が高い」などと、その住宅の特徴が書かれていることがあります。しかしながら、耐震性や省エネの基準はハウスメーカーや工務店によって異なっていることが多く、比較ができませんでした。
しかしながら、この住宅性能表示制度を使用している住宅同士であれば、住宅の性能が同じ基準で評価されているので、性能の比較が可能です。

性能のレベルを指定することが可能

住宅性能表示制度を使用している場合、例えば、耐火等級は3にしてください、といった指定をすることができます。
そのため、高齢者がいる家庭では、高齢者等配慮対策等級を5にしておくといったことが考えられます。
ただし、等級が5というのは具体的にどうというわけではなく、
「高齢者等が安全に移動することに特に配慮した措置が講じられており、介助式車いす使用者が基本的な生活行為を子なうことを容易にすることに特に配慮した措置が講じられている」
とされています。
具体的な性能の項目については後ほど記載します。

住宅ローンの優遇や保険料の割引をうけることが可能

建設住宅性能評価書付きの住宅は、耐震性に応じて地震保険料の割引や、住宅ローンにおいて優遇を受けられる可能性があります。
つまり、ローンで優遇してもいいくらい、丈夫だと保証できるということなのです。


住宅性能評価制度の項目

住宅性能評価制度の評価項目は全部で10項目あります。
詳しくは住宅性能評価・表示教会のサイトにのっています。
ここではその項目だけを紹介します。まずはどのような項目があるのかを知っておくだけでもとても役立つかと思います。

  1. 地震などに対する強さ(構造の安定)
  2. 火災に対する安全性(火災時の安全)
  3. 柱や土台などの耐久性(劣化の軽減)
  4. 配管の清掃や補修のしやすさ、更新対策(維持管理・更新への配慮)
  5. 省エネルギー対策(温熱環境・エネルギー消費量)
  6. シックハウス対策・換気(空気環境)
  7. 窓の面積(光・視環境)
  8. 遮音対策(音環境)
  9. 高齢者や障害者への配慮(高齢者等への配慮)
  10. 防犯対策

 

設計住宅性能評価と建設住宅性能評価

住宅性能評価制度では、これら10項目を設計時(設計住宅性能評価)と建設時(建設住宅性能評価)に評価し、意図した通りの家ができているか評価します。
これにより、依頼している工務店以外の専門家の目も入りますのでより、安心して家造りが行えます。

最後に

以上のように、住宅性能評価制度はとても役立つ制度ですが、あまり普及が進んでいる制度ではありません。
そのため、依頼する工務店にまず「住宅性能評価制度は使えますか」と聞いてみるようにすることをおすすめします。
もちろん、制度が使えなくても、いい仕事をしてくれる工務店はたくさんありますが、信頼関係がまだ何もない状態で保証があるというのは心強いものです。
兵庫県の工務店で住宅性能評価制度が使える工務店をお探しの方はお問い合わせ下さい。

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